一口に演奏会といってもその目的によって様々な性格がありますが、「依頼演奏」とは、オーケストラが主催する定期演奏会や特別演奏会以外の公演をいいます。
依頼演奏会で一番多いのは、全国各地にある公共ホールが主催するイベントなどに依頼されて出演する場合です。そのほかアマチュア合唱団の演奏会の伴奏として「第九」や「メサイヤ」などの宗教曲の公演に雇われるもの、ソリストに雇われてその伴奏を務める演奏会(オペラアリアの夕べ、協奏曲の夕べ等々)などや、また民間企業などがスポンサーになって演奏会を主催する、冠コンサートと呼ばれる公演などがあります。
このほかには「音楽鑑賞教室」への出演があります。教育指導要領の音楽の部では学年ごとに鑑賞曲が決められており、地域の教育委員会が鑑賞曲を含んだプログラムを作成し、小・中・高校の生徒を対象にした「音楽鑑賞教室」を開いて、生のオーケストラの演奏を聴く機会を提供しています。地方のオーケストラの場合は時期的には毎日のように「音楽鑑賞教室」があることがあります。
これらの依頼演奏は、いわば出演料をもらって頼まれて演奏する公演で、オーケストラにとっては重要な経済基盤となるだけではなく、オーケストラの文化の啓蒙活動となっています。
|