ニッケルハルパはスウェーデンの民族楽器の1つで、鍵盤付のヴァイオリンと言われています。弓で演奏する擦弦楽器ですが、フレットの代わりに弦を押さえるキーによって演奏する鍵盤楽器であるともいえます。細長い胴の横から鍵盤が飛び出している様は何とも奇妙な感じが漂います。ニッケルハルパの歴史は古く、スウェーデンの14世紀中頃の教会彫刻にすでにその姿が見られます。　

　ニッケルハルパは4本のメロディー用の弦と数本の共鳴用の弦をもつ。中世ヨーロッパのハーディ・ガーディと同じく弓で弦をすって音を出し、鍵盤を押さえて音階を作り出します。音はヴァイオリンより少し高めで、それが二回りほど大きい胴の中で響きます。

　ニッケルハルパはスウェーデンの土着楽器として常に民衆のダンスや歌と共にあり、現在も結婚式やダンスパーティーなど伝統的な舞曲ポルスカなどを演奏する時に使います。またヴェーセンやヘドニンガルナといったスウェーデンのリバイバル・フォークバンドにおいて重要な位置を占めています。