サウン・ガウはミャンマー(ビルマ)で用いられる民族楽器です。サウン・ガウとは「曲がった(ガウ)琴(サウン)」を意味しており、ボートのような湾曲した形状にその特徴があります。古代インドの影響を受けた楽器とされ、古代の仏教に関するレリーフに描かれており、宮廷や仏教と深くかかわってきました。日本では映画「ビルマの竪琴」で登場したことでも知られています。
さおは「シャー」という木の曲がった根から作られ、先端に菩提樹の葉の装飾を施す。共鳴胴は「パダウ」という木を舟方に形づくり、中をくりぬき、上面に赤い顔料で染めた鹿革を張ります。棹と胴の間には、絹糸をより合わせた16本の弦があり、右手で弦を弾き、左手で弦が留められた房ひもなどを押さえ音の調整をします。
独特の形とともに、目を奪われるのは装飾の美しさです。鮮やかに染められた赤や金箔がはられた姿は、宮廷で愛された楽器としての華やかさを感じさせます。優雅な音を奏でるものの、演奏の難しい楽器として知られています。
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