尺八の名前は、作られているものの長さの多くが一尺八寸であることに由来しています。もっと長いものや短いものもありますが、最も多く使われているものは、名前のとおり一尺八寸管です。材料は竹の根元を使い、7個の竹の節を含むようにしてつくります。表に4つ、裏に1つ穴があります。中は節を抜き漆を塗ってあります。笛と同様に上部の歌口に息を吹きつけて音を出します。

　音はあごの角度などで奏者が調節し、奏者の技量によって、澄んだ音から、柔らかく太い音まで、多種多様な音がでます。「ムラ息」と呼ばれる奏法では、わざとかすれた音を出し、曲中で効果的に用いたり。「コロコロ」という細かな音の上下や、ビブラートなどの表現もあります。吹き口は半円形に削っただけなので、初心者はまず音を出すことが難しい楽器です。