ティン・ホイッスルは、アイルランドが発祥と言われる笛です。「ティン」は英語でブリキのこと。ブリキを筒状に丸め溶接した、単純な構造の縦笛です。今は溶接しないタイプも増え、アルミや真鍮製のものも出てきて「アイリッシュホイッスル」とか、価格の安さから「ペニーホイッスル」と呼ばれることもあります。

　ティン・ホイッスルは、キーによっても異なりますが、長さはほぼ30センチ、穴は6つ。但しリコーダーのように裏側に親指の穴は無い。吹けば音は出るが、音に抑揚をつけるには、穴を開閉する手の細かい動作が必要になります。独特のかすれたようなゆれのある音をうまくコントロールするのはなかなか難く、吹き手の技量がそのまま音にでてしまう楽器です。

　映画「タイタニック」の中でセリーヌ・ディオンが歌う曲中で使われ一躍注目を浴びました。澄んだ高音と、その素朴な音色は広く親しまれており、アイルランド音楽には欠かせない楽器です。