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オーケストラの演奏のこと

オーケストラをより楽しむために、知っているとちょっと楽しくなるような豆知識や、華やかなステージからではわからない裏方さんのことなどを綴ってみました。




首席奏者について   

アインザッツについて 

チューニングはなぜオーボエ 

ソリストが急病の場合には 

ゲネプロってなに

アンコールについて 

オーケストラピットの中は 

ホールの音響について 



 首席奏者について

首席奏者とは各楽器のパート・リーダーのことです。オーケストラの木管楽器や金管楽器には、各セクションに3名〜4名の奏者がいますが、通常首席奏者は1番パートを担当しながら、これらのまとめ役としての役割を担います。またその楽器のソロ部分があれば首席奏者が演奏します。このことから首席奏者はソリストとしての実力をもっていなければばらないといえます。(オーケストラによってはソロ首席がいる場合もあります)

 首席奏者は募集段階で一般の奏者(テュッティ)とは分けて募集するのが一般的です。特に外国のオーケストラですと、各セクションの首席奏者、2番奏者、3番奏者等、弦楽器ではプルトを指定して募集を行います。オーディション以外では最初はオーディションで入団し、数年たつうちに他団員たちからの信頼を得たり、前任首席の辞職などの理由により、一般団員や次席から首席に昇格することもありますし、また他楽団からヘッドハンティングされて最初から首席として迎えられることもあります。

 首席奏者は優秀なテクニックと芸術的音楽性を兼ね備えており、さらに本番に強く、たいへんなプレッシャーにも負けず、ミスをすることのない奏者が選ばれます。また指揮者のさまざまな要望に応え、演奏できるテクニックとその中で自分の音楽も生かすという高度な音楽性が要求されます。

 第一ヴァイオリン奏者の首席奏者はコンサートマスターになりますが、たまにコンサートマスターは別に置かれる場合もあります。首席奏者はボーイング(弓の上げ下げ)を決めたり、チューニングや曲によってはソロを弾いたり、指揮者の考えや音楽的な指示を素早く団員に伝えたりとその責任は重要です。コンサート・マスターは一般公募からではなくて団の音楽監督や運営責任者が独自に招聘してくる場合がほとんどです。




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 アインザッツについて

アインザッツという言葉は、良く耳にするわりには、意外と正確な意味を知られていないのではないのでしょうか。何となく感じで用いられている音楽用語の一つではないかと思います。「アインザッツ」とはドイツ語で「挿入する」とか「差し込む」という意味ですが、音楽用語としては特にそのフレーズの「出だし」をさします。正式にはアインザッツ・ゲーベンといいます。

 演奏の中では「アインザッツが揃う、揃わない」というように使われることが多く、「アインザッツに注意して」と言うと、正確にはフレーズの出の瞬間のタイミングを揃えることを意味しています。

 指揮者はアインザッツを出し続けることを仕事としていると言っても過言ではありません。指揮者が入りのアインザッツさえ的確に出せば、優秀なオーケストラであれば後は演奏をし続けることが出来るといえます。

 音のない状態、またお休みしている状態から、しかも複数の奏者がタイミングを揃えて音を出すには、通常よりも高い集中力が必要になります。ですからアインザッツの部分というのは、とりわけて技術が必要になります。

 また、「ザッツを出す」といって、コンサートマスターやパートトップが、入りのタイミングをブレスや体の動きによって他のプレイヤーに伝えることがあります。そうやって指揮者のように、視覚的動作によってアインザッツを合わせようとするのも一般的です。

 有名なベートーベンの交響曲第五番”運命”の一楽章の冒頭の”運命の動機”の部分ですが、あれは出だしのザッツが難しいことでは右に出る曲はないといわれます。指揮のザッツの後に八部休符が一個あった後に弾き出さなければならず、それだけでも難しいのに、名指揮者であればあるほど激しさを強調するのでザッツがわかりにくくなるそうです。

 音の出始めの瞬間は「アインザッツ」といいますが、それに対し、音が消える瞬間のことを「リリース」といいます。




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 チューニングはなぜオーボエ

オーケストラのチューニングは初めにオーボエがA(ラ)の音を出し、次に管楽器が合わせます。そしてコンサートマスターが音を取り、それからオーケストラの全員が音を合わせていきます。オーケストラはオーボエなしには始められません??。それでは、なぜオーボエが基準になっているのでしょうか。

 その理由には2つの説があります、1つはオーボエは正確な音程が出るから。そしてもう1つは正確な音程が出ないからというものです。

 まず、正確な音程が出るからという説には、それは、オーボエの音が一番安定して長い音をだせる、温度差による音程の変化が少ない、よく音が通るなど、聞いてみればなるほどという理由です。またオーボエの音色が、よくひびいて、みんなに聞こえやすいからということもあるようです。

 次に正確な音程が出ないという説には、オーボエは楽器の構造上、途中で音程を変えることができません。オーボエが音の高さを変えるには、リードの幅や長さで調節するしかなく、演奏当日にその場でぱっと変えることができません。オーボエは音程を自由に調整しにくい楽器なので、ほかの楽器がオーボエに合わせるしかないというものです。聞いてみれば両方ともなるほどという理由です。

 最後に、ではオーボエの入っていない曲の場合のチューニングはどうするのでしょうか(例えば:モーツァルトの交響曲第39番)。その場合には、代わりにクラリネットでチューニングします。このようにオーボエ不在のときには、その状況に応じて別の楽器が代役をつとめます。




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 ソリストが急病の場合には

オーケストラの指揮者やソリストや楽員が急病や、その他やむをえない事情で出演できなくなることがあります。そんな時には代わりをさがさなければなりません。ある程度、早めにわかっている場合はともかく、急病等の場合はすばやく代わりの人を探し、公演への影響をできるだけ少なくしなければなりません。

 とは言っても、特に著名な指揮者やソリストの場合は、特にその演奏者を聞くためにチケットを購入している観客も多いので、主催者側ではチケットの払い戻しなどの損害賠償も覚悟しなければなりません。

 ソリストや団員が急病の場合は、キャンセルされた人の代わりを探すことになりますが、例えばソリストの場合、予定されていたソリストに見合う人で、演奏する曲の経験者を中心に代わりを探すことになりますが、場合によっては演奏曲目の変更という手段をとることもあります。指揮者についても同様の方法が取られますが、オペラや大規模なコンサートなど、副指揮者などのアシスタントがいるときには、代わりをつとめることもあります。

 次に楽員が急病等で降りる場合ですが、弦楽器に欠員が出た場合には、パートの人数も多いので、差し支えなければ欠員のまま演奏することもあります。しかし、一人一人が別のパートを演奏する管楽器の場合は、必ず代わりの奏者を補わなければなりません。

 そんな場合は、オーケストラの事務局どうしでお互いに演奏者を紹介しあうことがあります。オーケストラで急な欠員が確認されると、他のオーケストラ事務局に連絡し、その演奏会で予定されているプログラムの経験者で都合のつく演奏者を探してもらいます。




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 ゲネプロってなに

ゲネラルプローべを略して「ゲネプロ」と通称呼ばれます。その語源ですが、日本だけで使われている和製のドイツ語です。ドイツ語のGeneral(総合という意味)とProbe(稽古の意味)を足して、「総合的な稽古」という意味で付けられているようです。

ゲネプロは本番の前に行う本番同様の通しリハーサルのことです。オーケストラの場合はプログラムすべてを通す場合と、一部を割愛して行う場合がありますが、いずれも指揮者の意向と指示に沿って進行します。

またオペラやミュージカルなどの舞台の場合は、舞台装置や衣裳、音響、照明などさまざまなスタッフが総合的に最終チェックを行うリハーサルでもあり、割愛されることなくすべて本番同様に進行します。ゲネプロはリハーサルといっても本番同様の最終チェックの場ですので、出演者も緊張して行われます。




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 アンコールについて

アンコール(Encore)という言葉は、「もう一度」とか「さらに」という意味があるフランス語です。アンコールは素晴らしいと感じた聴衆が「あなたの演奏をもっと聴きたい」という感動から生まれたリクエストです。

 一般的には、サービスとしてプログラムに無い曲を演奏することが多いのですが、その場合、演奏会のプログラムの最後の曲や、全体のプログラミングとの調和を考えてアンコール曲を選びます。初演曲の場合はその曲のサワリを再度演奏することが多いようです。
 
 マーラーとかブルックナーとかの交響曲のように長大な交響曲の後には、普通はアンコール曲は用意されません。

 外来オーケストラでは、アンコール曲として、自分達の国の代表的な作品や訪問国の作品をとりあげることもあります。オーケストラのアンコール曲としては、いつも大体"受けのよい"作品が演奏されます。




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 オーケストラピットの中

オーケストラピットとは、客席の前側の一部が可動式になっていて、上げたり下げたりできるようになっている構造のことです。オーケストラピットは普段は客席の一部なので、使用するときはその部分のイスを取り外して使用します。その用途は主にオペラやバレエなどの伴奏をオーケストラが演奏するときの場所として使用します。

オーケストラピット(通称オケピとかピットと呼ばれる)はホールによって広さや形はそれぞれ違いますが、ほとんどの場合、そのスペースはかなり狭く、演奏家はぎっしりとすし詰めになって演奏することになります。

管楽器はまだ動きをがまんして演奏することもできますが、弦楽器や打楽器の奏者は身体の動きを伴いますのでつめて座るにも限度があります。そのためにやむを得ず弦楽器の人数を減らしたり、打楽器を花道に上げるなどステージマネージャーは調整を強いられることも少なくありません。花道の場合は長時間のオペラやバレエなど間、ずっと聴衆の目にさらされ続けることになります。

ただでさえ狭いピットの床には譜面灯(暗い中で譜面を見るための電灯)のコードが蜘蛛の巣のように走っています。万一それを引っ掛けてコードなどを抜いてしまったら、何人もの人の明かりが消えてしまいます。暗いピットで明かりが消えたら演奏は続けられません。

また、オーケストラのチューニング(音合わせ)が始まれば、ピットの入り口はステージマネージャーによって閉じられ、例え次の休憩まで出す音が一つしかなくてもじっと座っていなくてはなりません。さらに、ミュージカルや色物では、幻想的な演出効果を高めるためにステージ一面に溜められたドライアイスの煙や、花吹雪などがふりそそいでくることもあります。そんなとき指揮者は見えないし、息を吸ったらむせて咳き込むし、ピットって入ってみなければその苦労はわからないようです。




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 ホールの音響について

【直接音と反射音】

音楽ホールで聴く音には2種類があります。1つは直接音といってステージの演奏者からじかに発せられた音です。これとは別に、ステージ後ろの側壁や天井にさまざまな角度で取り付けられた反射板や床に反響してから、直接音より遅れて届く反射音があります。聴衆はその直接音と反射音の音が、混ざり合った状態を聞くことになります。

理想的にはオーケストラの演奏を楽しむための音楽ホールは、ステージで発せられた音がホール全体にくまなく響き渡ると同時にどの位置で聴いても同じバランスで聞こえるのが理想ですが、しかしなかなかそうはいきません。ステージに向かって一番右の最前列などに座ると、コントラバスや、チェロの音ばかりが腹に響き、ヴァイオリンなどの高音部や一部の管楽器の音が聞こえにくかったりします。規模の小さなホールですとよほど端のほうでないかぎりはそんなに違いはありませんが、1000人以上の大ホールですと座る場所によりかなり差が出てきます。またホールの位置だけではなく、例えば2階席の下部分にある席などは、音が聞こえにくくなるのは否めません。

ホールもまたひとつの楽器であるというとの発想から、ホールは設計段階からコンピュータ等を使って様々な実験や工夫研究がなされています。サントリーホールでは、1000万円以上もかけて、10分の1の内部模型を作成して実験したそうです。これまでのほかのホールでのデータをもとに設計し、素材を選ぶので、大きな誤差はでないようになったようですが、それでも音を出してみなければわからないというのが現状のようです。さらに演奏者がステージの上で自分の音や他の楽器の音が聞こえにくかったら良いアンサンブルにはならないのは当然のことで、演奏者にとって演奏し易いステージというのも重要なファクターの一つになります。

また残響については聴衆が半数くらいの時と満席のときとでは、かなりの音の聞こえ方に影響があります。人の肌や衣装は音を反射せずに吸収するからです。新しいホールの多くは、椅子のもたれの左右と上部を板張りにして、クッション部分の布とのバランスを場所によって変えることで、反射と吸収を調節、聴衆が少ない場合と満席の場合の誤差をなくそうとしているとのことです。




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