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オーケストラの楽器のこと

オーケストラをより楽しむために、知っているとちょっと楽しくなるような豆知識や、華やかなステージからではわからない裏方さんのことなどを綴ってみました。




オーケストラの楽器配 

オーケストラの楽器編成 

演奏中に楽器が壊れたら

オリジナル楽器のオーケストラ

楽器の略語表 

楽器の値段 



 オーケストラの楽器配置

楽器の配置については18世紀の終わり頃には、現在のスタイルに近い配置が見られるようになりました。楽器の配置は、音量や音質のバランスをとること、演奏者たちが指揮者や楽譜を見やすい、また指揮者が全体を見渡しやすいようにすることなどがポイントになります。現在では下記のような配置が一般的になっています。

現代のオーケストラの楽器配置例

このように2つのヴァイオリン・セクションを並べる方法は、アメリカで活躍したイギリス生まれの指揮者、レオポルト・ストコフスキーが1920年代からフィラデルフィア管弦楽団で採用して、広く知られるようになりました。これがその後、ミラノ・スカラ座で弦を音高順に配置するスタイルに発展し、現在一般に定着してきています。

 この配置では、指揮者の正面に主席奏者を集中させることが出来るので、楽器ごとの音色を引き出しやすいという利点がありますが、逆に、第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンの聴き分けが困難という欠点もあります。

この他に、指揮者の好みや、定期演奏会の会場に特殊なクセがあるオーケストラの場合には独特な配置をするケースもあります。また歌劇場のオーケストラ・ピットのようにスペースに制限がある場合には、特殊な並び方を余儀なくされることもあります。

 配置に加えて、音量の幅を強めたり、アンサンブルをし易くしたり、奏者を見やすくするために木管楽器や管楽器は山台を使って高くします。しかし、管楽器の音が弦楽器の音をかき消すほど大きく鳴るオーケストラでは、わざわざ山台を取り払って平場にすることもあります。




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 オーケストラの楽器編成

楽譜に示されたオーケストラの編成の規模を示すのに、二管編成、三管編成、四管編成という言葉が使われます。標準的な二管編成の場合、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットが各2名(ピッコロが加わることもある)で、ホルンやトランペットが2名程度、それにティンパニと弦楽五部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)になります。

 この場合の弦楽五部の人数は標準的な編成で「10型」と呼ばれ、5―4―3−2−2プルト(Pult:譜面台のことで、2人で1つの譜面台を見ることから、1プルトは2名に相当する)で編成されます。

 次の表はその編成と人数をまとめたものです。実際には編成と人数は演奏する曲や、指揮者などの曲の解釈によっても増減しますのでこれはあくまでも標準的なものです。

 二管編成は、オーケストラ総勢で50名ほどになります。モーツァルトやベートーヴェンの初期の作品は、現在このくらいの規模で演奏されます。

 三管編成は、総勢75名ほどになります。ベートーヴェンの後期の作品からロマン派の多くの作品はこの程度の規模です。

 四管編成では総勢100名ほどになります。また、ワーグナー、マーラー、ストラヴィンスキー、ベルク等のの作品には、四管編成よりさらに大きく、管楽器の各セクションが5人平均で、弦楽が「20型」(五管編成相当)となり120名を超えるものもあります。

 また、もっと小さな編成としては、木管楽器が1人ずつ程度の編成(一管編成)があります。ワーグナーの「ジークフリート牧歌」は、基本的に木管楽器が各1名、ホルン2、トランペット1、打楽器は無しで、弦楽は室内オーケストラの編成8型か6型で演奏されます。

■標準的な楽器編成

1管編成 2管編成 3管編成 4管編成
弦楽器群 第1ヴァイオリン 10 14 16
第2ヴァイオリン 12 14
ヴィオラ 10 12
チェロ 10
コントラバス
木管楽器群 ピッコロ
フルート
オーボエ
イングリッシュホルン
クラリネット
バス・クラリネット
ファゴット
コントラファゴット
金管楽器群 ホルン 2〜4 4〜6 6〜8
トランペット
トロンボーン
テューバ
打楽器 ティンパニ
その他 打楽器類 数名 数名 数名
人数 30名程度 50名程度 75名程度 100名程度




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 演奏中に楽器が壊れたら

オーケストラのプレイヤーは普段から楽器のメンテナンスを欠かしませんが、それでもアクシデントが起こることがあります。しばしば起こるのは、演奏中にヴァイオリンやヴィオラの弦が切れてしまうことです。その場合、例えば、コンサートマスターの弦が切れてしまった場合には、順番に後ろの人の楽器と交換していきます。そして一番後ろの人がステージから出て弦を張り替えてステージへ戻ります。そのあとは先ほどとは逆に前へ楽器を送り、もとのプレイヤーに渡します。そんな場合に備えて舞台の後ろの席には、あらかじめ予備の楽器を目立たないように用意してあるオーケストラもあります。

 同じ弦楽器でもチェロやコントラバスは切れた楽器の持ち主がステージから出て張り替えます。(コントラバスはめったに切れることはないようですが) また同じ弦を使用しているハープなどは、その場で交換出来るように足元には常に予備弦の入ったケースが置いてあります。

 しかし管楽器や木管楽器などは予備を用意しているわけではありません。めったに壊れるケースはありませんが、管楽器のキーを動かすバネが昔は鉄製がほとんどだったので、たまに折れたそうですが、その場合は一時しのぎに輪ゴムで代用していました。今はステンレスバネが多くなり、めったに折れなくなっていますが、鉄製のバネでないと無理な場所もあり、今でもプレイヤーは常に数本の輪ゴムを用意しています。




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 オリジナル楽器のオーケストラ
 

オリジナル楽器のオーケストラとは作曲された当時のオリジナル楽器、もしくはその復元楽器を用いて、往時のオーケストラの規模と編成を純粋無垢に守りながら、楽譜や奏法に関しても作曲当時の情報に可能な限り忠実にオリジナルに近い形で演奏するスタイルのオーケストラです。作曲家が本来頭に描いた音とはどんなものだったのか、当時の聴衆はどのような響きを聴いていたのかなど、オリジナル楽器のオーケストラの興味深いところです。オリジナル楽器の演奏は近年ますます盛んになっており、近年はハイドン、モーツァルトはもちろんのこと、ベートーヴェンやシューベルトなども見直されています。

代表的なオリジナル楽器のオーケストラ

【18世紀オーケストラ】

現代屈指のリコーダー奏者フランス・ブリュッヘンが私財を投じて、世界15カ国から優れた古楽奏者を結集して1981年、オランダで結成された古楽オーケストラです。ブリュッヘンと18世紀オーケストラはモダン楽器の団体との違いを意識し、全ての楽器を18世紀当時に使われていた楽器、もしくはその復元楽器のみで合奏の特色を徹底して追求しており、この特異なオーケストラの挑戦的で真摯な取り組みは、偉大な音楽作品に眠っていた「力」を生き生きと蘇らせ、世界の多数のクラシックファンから驚嘆と喝采をもって迎えられた。

【バッハ・コレギウム・ジャパン】
バッハ・コレギウム・ジャパンは日本を代表するオルガン、チェンバロ奏者で、東京芸術大学教授の鈴木雅明が、世界の第一線で活躍する日本のオリジナル楽器のスペシャリストを擁して、1990年に結成した本格的なバロックオーケストラと合唱団です。特にヨハン・セバスティアン・バッハを中心とするバロックの宗教作品における音楽の目的をより鮮明に表現するために、プログラムごとに最もふさわしい編成を採用、可能なかぎりオリジナル楽器を用いた当時の演奏スタイルを手本としています。




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 楽器の略語表

楽器名 略語 略語
弦楽器 ヴァイオリン Vl. Vn.
ヴィオラ Vla. Va.
弦楽合奏 Str.
チェロ Vc.
コントラバス Cbs D.B.
木管楽器 ピッコロ Picc.
フルート Fl.
アルトフルート A-Fl.
オーボエ Ob.
イングリッシュホルン E-hrn EH
クラリネット Cl
ファゴット Fg
コントラファゴット C-Fg.
金管楽器 ホルン Hr.
トランペット Tp.
トロンボー Tb.
テューバ Tu.
打楽器 ティンパニ Timp.
ドラム Dr.
タムタム Tam.
トライアングル Trg.
シンバル Cym.
ベル Bell.
鍵盤楽器 ピアノ Pf.
オルガン Org.
チェンバロ Cemb.
ハープ Hrp.




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 楽器の値段


 ヴァイオリン:1万〜3億円
 ヴィオラ…10万〜500万
 チェロ…10万〜3000万
 コントラバス…3万〜500万
 フルート:1万〜500万
 オーボエ:20万〜200万
 クラリネット:1万〜200万
 ファゴット:30万〜300万
 サクソフォン:10万〜130
 ホルン:20万〜130万
 トランペット:3万〜70万
 トロンボーン:7万〜70万
 テューバ:30万〜150万
 ハープ:30万〜1400万
 ティンパニ:50万〜1200万(4個〜5個セット)


ヴァイオリン:1万〜3億円

一番安い量産品だと、1万円台からあります。アマチュアの多くは、10万〜数十万クラスの楽器を持っているようです。オーケストラプレーヤーやアンサンブルで演奏活動をしているプロの持っている楽器は、100万〜1000万を越えるくらいまでが普通のようです。優秀なアマチュア奏者でも、このクラスの楽器ならば持っている人がたくさんいます。

500万円を越えると楽器は数も少なくなり、かなり良いものが多くなります。一方で100万位の楽器でも、気に入る要素を持っているものに出会えることが少なくありません。超一流の演奏家が使う楽器、例えばストラディヴァリウスやグァルネリなどは、「価格」はありません。必要な人が気に入って買うのですから、1億であろうと2億であろうとその時の時価になります。その次のクラスでも、イタリアのガダニーニなど数千万で取り引きされる楽器が多くあります。そして、このクラスのヴァイオリンになると買った値段から下がることはめったにありません。

○ヴァイオリンの弓の値段

ヴァイオリンの弓は楽器同様に非常に重要な要素で、別売りでおよそ本体の1/3くらいの値段のものが使われます。ヴァイオリンとほぼ同様に、フランスやイギリスのオールドの中には、1000万を越える額で取り引きされるものもあります。プロが持つものは、やはり100万単位のものが主流です。アマチュアの多くは、10万〜数十万クラスの弓を持っているようです。一番安い量産品だと、一万円台からあるようです。弓の値段を決める要素もヴァイオリンとほぼ同じです。

ヴィオラ…10万〜500万
チェロ…10万〜3000万
コントラバス…3万〜500万


 フルート:1万〜500万

フルートはその材質と作り方によって値段はピンからキリまであります。全く銀が使われていない、初心者用の洋白製(ニッケルと亜鉛の合金)量産タイプのフルートは5万〜7万円前後から買えます。また一部のみ銀が使われている(頭部管銀製)量産タイプのフルートが10万〜13万円前後、手作りタイプのフルートが18万円前後、総銀製40万円位になります。総銀製になると音色の深み、奥行きが違い、いわゆる一生使えるフルートです。

プロ用のものでは、メーカーにより若干異なりますが、管体が14Kのものが200〜300万円、総金製(14K)で400〜500万円、総プラチナ製で500〜600万円と値が張っていきます。プロになると、総金製、それに銀やプラチナと何本も持つ人が多い。弦楽器についで高い楽器である。

 オーボエ:20万〜200万

オーボエの値段はかなり高く、学生が使うものでも30万〜40万円くらいが目安です。本格的にやるなら70万〜90万円くらい、上は200万円以上するものもあります。安いものでは樹脂製の20万円台のオーボエがありますが、あまりおススメできないというのが一般的です。

 クラリネット:1万〜200万

クラリネットはグラナディラという非常に堅い木で作られます。このグラナディラはアフリカの一部地域でしか採取できず、また成長に何10年もかかるため非常に貴重な材料になっています。そして、その中からより良い木を使うことで値段も上がっていきます。値段は20万円〜50万円程度が最も多く、高級なものは100万円以上します。
これに対しプラスチック(ABS樹脂)を用いた「プラ管」のクラリネットもあります。プラ管は、だいたい6万円〜10万円くらいの製品が多く、10万円を超えるあたりから木の楽器になってきます。

 ファゴット:30万〜300万

ファゴットは安くて良い楽器が少なく最低でも50万円以上していましたが、最近ドッペルロアというメーカーが30万円のオーボエを販売するようになりました。プロモデルですと100万円〜300万円台といったところです。高級器としてはヘッケルバスーンが有名です。ヘッケルバスーンは全てオーダーメイドであり、発注時にキーの装備やトーンホールのピッチは当然の事ながら、使用する木の種類やラッカー指定なども行い通常納期で3〜4年はかかります。

 サクソフォン:10万〜130万
サクソフォンの価格は、低価格帯のものは人件費などのコストをもとに、中堅クラス以上の楽器ではパーツの質やグレード、また伝統や技術力の差によってより良い音が出る楽器のメーカーのものが必然的に価格は上がってきます。

10万円までのクラスは、人件費の安い中国製や台湾製が主流になります。日本製は10万円台から20万円台のクラスの楽器が普及型として主流になっており、同様にアメリカやヨーロッパでもこのクラスのサックスが普及しています。

上級者用としては、日本製のサクソフォンではYAMAHA製が15万〜130万位、サックスの最高峰と言われるフランス製のセルマーが30万〜120万位まで。それぞれのメーカーが独自に研究、開発を重ねたサックスがこのクラスには投入されており、それぞれサウンドの個性、特徴のあるモデルを出しています。

 ホルン:20万〜130万

価格はメーカーによってかなりの差があります。フルダブルホルンは、安い物でも20万円後半位から30万円台以上になります。本格的なモデルでは50万円前後からとなり、初心者にとってやや高価ではあります。アレキサンダー・シュミット・パックスマンなどのヨーロッパ系の楽器は100万円前後の値段が設定されています。日本のヤマハやコーン・ホルトンといったアメリカのメーカーにはフルダブルホルンの安いモデルの場合では30万円〜40万円台で設定されています。高いものになると130万円以上します。
しかし、高い楽器は素晴らしく、安い楽器は鳴らないというわけではありません。最近では台湾製のジュピターとか中華人民共和国製などの楽器がでてきているようです。


 トランペット:3万〜70万

オーケストラで使われる楽器の中では値段は一番安い。その理由は本体材料がすこぶる安いためです。価格は加工に使う材料の価格に応じて、同じモデルなら、ラッカー仕上げ、銀メッキ仕上げ、金メッキ仕上げの順に値段が高くなりますが、それとて弦楽器や木管楽器に比べれば全然安い。では高級品は何が違うのか、一番の違いは製作に要する人件費で違ってきます。

初心者モデルなら3万円前後、本格的に続けるにしても20万から30万円程度出せば、優れたモデルが多いのがトランペットのいいところです。ただドイツのオケ等で良く使われるロータリートランペットは30万〜70万位します。ただし、金管楽器は寿命が短かく、毎日3時間も練習していれば4〜5年たつと音にシンが無くなってしまい、音の塊がベルの先から飛んで行かなくなるので買い替えが必要になるということです。

 トロンボーン:7万〜70万
トロンボーンの価格は材質と仕上げ、作りによって左右されます。値段はテナーバスの初心者用モデルで7万円位からあります。テナーバストロンボーンやバストロンボーンが10万円位から、テナートロンボーンは20万円位、テナーバストロンボーンで20万円〜30万円、バストロンボーンは30万円位になるとかなり多くのモデルがあります。ドイツのハンドメイドのメーカーのものはこれよりも大分高価になり70万円位します。

トロンボーンやトランペットなどの金管楽器のほとんどは銅と亜鉛の合金(真鍮、ブラス)で作られていますが、その割合によってイエローブラス、ゴールドブラス、レッドブラスがあります。この順に銅の比率は多くなり、値段が高くなります。同じように仕上げもラッカー仕上げ、銀メッキ仕上げ、金メッキ仕上げの順で値段は高くなり、材質と仕上げの組み合わせで音色や吹き心地も変わってきます。

 テューバ:30万〜150万

テューバの値段はスクールモデルで30万円位から、本格モデルになると50万円以上になります。最高級品は100万円〜150万円以上します。

金管楽器のほとんどは銅と亜鉛の合金(真鍮、ブラス)で作られていますが、材料費としての値段は比較的安いので、値段の違いはその製作工程のほとんどが手作りであることを考慮すると、加工にかかる人件費等の費用となります。

 ハープ:30万〜1400万

日本で唯一のハープメーカー、青山ハープ社製のノンペダルハープは30万円位から、またグランドハープは130万円位から、金箔が奢られた500万円以上のものまであります。
グランドハープのランクは響板や響胴などの構造の違いにあります。ランクが上の楽器ほど胴の構造が複雑となっており、より深い音色とバランスのよい音量を望めるように設計されています。
ハープで有名なイタリア製サルヴィ社のプロ仕様のものは300万位〜600万位のものが普及しています。ちなみに最高級ものは1400万円ぐらいするものもあります。


 ティンパニの値段 : 50万〜1200万(4個〜5個セット)

ティンパニは単体で使われることは少なく、普通音程の異なる4台(S・M・L・LL)で使用されます。値段は4個セットで30万円〜100万円くらいのものが普及しています。ヤマハ製では30万〜70万位、プレミア製で70万位〜95万位です。
高級モデルでは、アメリカのラディック社、オランダのアダムス社などが有名で1000万クラスのものもあります。ちなみに札幌交響楽団のティンパニはドイツの打楽器メーカー、レフィーマ社製で、高い技術を持つ職人によりパーツの一つ一つに至るまで全てハンドメイドで製作されたもので、価格は5点セットで1,200万円だということです。




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