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指揮者その2

オーケストラをより楽しむために、知っているとちょっと楽しくなるような豆知識や、華やかなステージからではわからない裏方さんのことなどを綴ってみました。




オーケストラに指揮者は必要か

なぜ女性指揮者は少ない

指揮と音がずれて聞こえるのは

指揮者と暗譜

指揮者になるためには

指揮者は誰が決める




 オーケストラに指揮者は必要か

 先ず、指揮者の役割を見てみます。「指揮者はオーケストラの音色やテンポを図りながら、全体の演奏をまとめあげてゆきます。指揮者の解釈によって、演奏のスタイルや曲のイメージが大きく変わるので、解釈の違いがそのまま指揮者の個性となり、オーケストラの評価へとつながります。・・・」
指揮者がいないとなるとこの役割はだれがするのでしょう。

 ニューヨークに指揮者を置かないことで有名なオルフェウス室内管弦楽団があります。オルフェウスではどのようにしているかといいますと、まずオーケストラのメンバーがコンサートマスターや中心になる奏者を選びます。そして、その人たちが演奏全体の方向性やリハーサル計画を決め、練習を行い、最終リハーサルでは全メンバーで演奏のチェックと洗練を行うそうです。
 この場合は考え方によっては全員で指揮者の役割を果たしているといえるかもしれません。言い換えると指揮者はいなくても演奏はできますが、全体を音楽的かつ調和的に動かす役目の人がいないと基本的には演奏ができないと言えましょう。




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 なぜ女性指揮者は少ない

音楽の世界でまだ男性優位といえるのは指揮者ですが、最近では松尾葉子さんや西本智実さんの活躍でもわかるように、国内でも女流指揮者が徐々に増えてきています。また大学の指揮科にも女性の在籍者が増えています。

 オーケストラの世界では、ヴァイオリン奏者は殆どが女性という状況はすでにあり、クラシック予備軍とも言える高校のブラスバンドでも殆どが女性になっています。こうなるとクラシック音楽の奏者は「女性だけ」になってしまう日も近いのではと思われる勢いである。

 一般的には女性は「論理的思考力」や「統率力」などが・・・と女性指揮者が少ない理由のようにいわれていますが、実際には「女性だから」という根拠は見いだせず、男性と同じくらいの程度において、個人差の方が大きいように思えます。

 なお、指揮者になろうとする人は、自己顕示欲が強い人間でないと務まらないという気はします。そのような性質は女性より男性に多く存在すると考えられるので、 結果、女性の指揮者が少ないのではともいえそうです。




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 指揮と音がずれて聞こえるのは

オーケストラの演奏で指揮者が指揮棒を振り下ろしてから、少し遅れて音が鳴るのを感じることがあります。つまり指揮とオーケストラの演奏とがあっていないように感ずることがよくあります。

 でもこれは演奏が「出遅れた」のではありません。指揮棒が動いてから音が鳴るまでほんのわずかの時間差が生じて、それがずれて聞こえるのが原因です。短距離走者がスタート音を聞いてから走り出すまで、わずかの時間差がでるのと同じで、オーケストラは指揮についていくのが原則だからです。

 また、これとあわせて奏者の技術や感受性に問題があったりして、指揮についていくのが大変な場合もあります。さらに、楽器によっても差がでます。長い管を持っていて発音に時間がかかるホルンや、大型で不器用なコントラバスやテューバなどは自然とずれがちになります。

 また、聴衆の座る席によっては、会場が大きい場合などは、視覚的に見る指揮者と耳で聞く音の伝わる早さでの違いから、遅れて感じることが生じてきます。オーケストラのように100近くの奏者が、指揮者について完璧に演奏するのは大変なことのようです。




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 指揮者と暗譜

暗譜というのはスコア(総譜)に書かれている音符のすべてを記憶することです。亡くなった岩城宏之さんは著書の中で、指揮者は本来暗譜はそれほど必要ではないといっていました。ただ、譜面を見ないで振っている方が聴衆に「カッコイイ」と人気なので頑張って暗記するといっています。

 最近は若手、ベテランを問わず、暗譜で演奏する人がほとんどです。交響曲のような大曲やオペラなども暗譜で演奏する指揮者もいて聴衆は指揮者の記憶力の凄さにびっくりします。でもほとんど暗譜で指揮をする人でも、協奏曲や現代作品などは念のため譜面台にスコアを置くようです。

 暗譜すると楽譜をめくる手間がなく、オーケストラの楽員の反応にも注意しながら、指揮に集中できることも大きなメリットでしょう。カラヤンはほとんど暗譜で指揮をし、そのスマートさとカッコよさで有名ですが、時折目をつむって振るのがイヤミだと評されたこともありましたが・・・。

 暗譜の方法として岩城宏之さんはピアニストのルービンシュタインから「目の中にフォトコピーすればもっとも確実に覚えられる」とアドバイスされ、そうして記憶していたのだそうです。そして本番のときは頭の中でこの架空の画面を次々とめくりながら指揮をしていくのだそうです。



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 指揮者になるためには

オーケストラや合唱、吹奏楽などでそれぞれのパートの演奏をまとめ、音楽の表現をコントロールするのが指揮者の役目です。音のバランスやテンポを調整するだけではなく、演奏そのものをどう表現するのかを示していきます。そのため指揮者によってその演奏は素晴らしくもなり、その反対にもなります。

 指揮者になるためには特に資格は必要ありませんが、音楽大学の指揮科で学ぶのが一般的です。ただし音楽大学の指揮科に入るのには、かなり高度なピアノの技術と和声の知識が必要になります。

 プロのオーケストラの指揮者になるのには、メジャーの国際指揮者コンクールに入賞するのが一番の早道ですが、指揮者コンクールで入賞するためには音楽に関する高度な知識や技術ばかりでなく、卓越した芸術感覚が何よりも必要とされます。

 現在、プロの指揮者で活動されている方の中には、楽器を演奏されていて、途中から楽器や声楽、あるいは作曲などを学び、音楽についての幅広い知識や経験を身につけた後に、あらためて指揮者への道に進んだ人もいます。

 指揮者としての必須条件としては、音楽と楽器に対する深い理解はいうまでもありませんが、作曲家の意図を汲む想像力や、演奏家たちの才能を引き出す指導性、カリスマ性、団員を圧倒する音楽性、またプロデューサーとしてオーケストラを率いる忍耐力など、すべての能力を備えていることが不可欠だといわれています。このようなことから総理大臣になるより、指揮者として成功するほうがむずかしいとも揶揄されます。



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 指揮者は誰が決める

オーケストラの定期演奏会などの指揮者はどのように、だれが決めるのでしょうか。オーケストラの演奏会の中心になる定期演奏会などの指揮者の選任は、運営委員会で決めているようです。運営委員会は理事や事務局、オーケストラのコンサートマスターを含めた団員の代表者で構成されています。 

 また音楽監督がいるオーケストラでは、音楽監督と運営委員会の両方が話し合って決めるのですが、音楽面での最高責任者の音楽監督の発言力が強く影響することになります。オーケストラによってはさまざまなケースがあります。ベルリン・フィルは2002年からの芸術監督がサイモン・ラトルなりましたが、これは楽団員の投票で決めているそうです。




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