音楽療法士とは、乳幼児からお年寄りまで身体や精神に障害を持った人たちに対し、「音」や「音楽」を聴くことや、演奏することを通して、社会適応能力の回復や運動機能の回復、認知力などを養っていくのを手助けする仕事をする人です。
人は心地よい音楽を聴くと、精神が安らいだり、心拍数が安定したり、脳が活性化するなどの反応があることが分かっています。
音楽療法士は「1/f(えふぶんのいち)ゆらぎ」といわれる自然界の心地よい周波数などの、音楽の持つ力や特性をうまく生かして、人の感情に働きかけ、それぞれの障害に合った心理療法を、医師や看護師、その他のスタッフと協力して進めていきます。そのために音楽療法士には、実践的技術だけでなく、教養や人間性も求められます。
音楽療法士の資格の認定は日本音楽療法学会が行っていますが、国家認定資格ではありません。音楽療法はアメリカやドイツなどでは有効な治療手段として認められており活躍の場も様々ですが、日本ではまだ資格認定をされても、ボランティアがメインの活動で、資格の認知度や音楽療法自体の成果についての認知度も低いのが現状です。
今後はヒーリングミュージックやマタニティミュージックなどを通して、音楽療法への関心と理解が広まりつつあります。また、社会的なストレスや過労死などが問題になっている時代ですので、セラピーやリハビリなどを行なう音楽療法士の活躍の場はますます広がってくることが予想されます。
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